診療科・各部門のご紹介

麻酔科

部長

岩本 亜津子

  • 医学博士
  • 日本麻酔科学会麻酔科指導医・専門医
  • 臨床研修指導医
  • 麻酔科標榜医
  • 日本温泉気候物理医学会温泉療法医

医長

北 佳奈子

  • 日本麻酔科学会麻酔科専門医
  • 臨床研修指導医
  • 麻酔科標榜医

British medical Journalと云う1840年創刊の雑誌があります。
1840年当時、欧米での平均寿命は現在の約半分だったのだそうです。
それ以後177年の間、医学の発展と共に寿命が延びてきた訳ですが、この177年の間の最も偉大な医学的な進歩は何かというアンケートがwebでおこなわれ結果が発表されていました。

第一位は衛生管理
第二位は抗生剤
第三位には麻酔が入っていたそうです。
麻酔科医としてはうれしい限りです。

 

しかし、やはり麻酔科というのは世間一般の人には知られていない存在だと思いますので簡単に説明させていただきます。

麻酔科医の主な仕事は手術室で手術を受ける患者さんの全身管理です。その他、手術後の患者さんの管理(術後ICU)や、痛みの治療(ペインクリニック)なども麻酔科の仕事に含まれます。しかし、現在大分医療センター麻酔科は常勤医2名という状況ですので、まずは手術を受けられる患者さんの安全第一と考え、手術中の管理に限った仕事をさせていただいております。

 

では、もし万が一、あなたが手術を受けなければならない状態におちいったとして、手術決定から手術終了までを時間を追って説明させていただきます。

手術の決定

まず、主治医が手術の必要なことをあなたやあなたのご家族に説明します。その時、手術方法やそれに伴う合併症や危険などの説明もあるかと思います。説明を受けて手術をすることに同意されたら手術日を決め麻酔科医に連絡されます。手術、麻酔に必要な検査も色々と受けていただきます。

麻酔医による術前診察

手術前の検査がでそろったところで麻酔科医が病室に伺い、データを見させていただきます。そこで、心臓や肺、肝臓、腎臓などの重要な臓器に異常があった場合は手術を延期させていただいて先にそちらの治療をさせていただいたり、場合によってはより高度な術中術後管理のできる病院に転院していただくこともあります。

さて、あなたは大きな合併症もなく手術を受けることになりました。

手術前日

手術の前日、麻酔医があなたのお部屋に伺い、今までにかかった病気や現在治療中の病気、現在内服中の薬、さらに血縁の方で麻酔の薬で副作用の起こった方の有無、などなど根掘り葉掘り聞きますが、どれも大事なことですのでどうか正確にお答えください。手術の種類+患者様の合併症+患者様の希望によって麻酔の方法を決めます。

注1.
病室でお話するのが気になる方は別室でお話いたします、その旨看護師におっしゃっておいてください
注2.
薬によっては手術の1週間前に止めなければならないものもありますので手術が決まったら、主治医に相談してください
注3.
タバコの害はいろいろ言われていますが、手術、麻酔に関しては、手術後の肺炎の危険性が高くなりますし、末梢の血流が悪いため傷の治りも悪くなるといわれていますので最低でも手術の1週間前には禁煙してください。

麻酔の説明を書いた紙、食事や飲み物を飲んでいい時間、常用薬を飲んでいい時間を書いた紙、麻酔の説明を聞いたという同意書をお渡しいたしますので、もう一度目を通しておいてください。

手術当日

手術室入り口で手術室スタッフに、名前とどこの手術をするかご自分でおっしゃってください。そこで、それまで着ていた服は全て脱いで手術室の服に着替えます(外の世界の塵を持ち込まないためです)でも、お守りの1つぐらいは持って入って良いです。前もって言ってください。

手術室の中で

手術台の上に乗るとドキドキするかもしれませんが、ちょっと深呼吸して周りを見渡してください。やさしい看護師さんがにこやかに話しかけてくれるはずです。さて、薬を入れるための点滴をして、血圧計、心電図、酸素濃度計などのモニターがついたら麻酔の開始です。お顔の上から酸素が流れます。ゆっくりと酸素を吸ってください。点滴の横から眠くなる薬が入ります。ちょっと刺激があると思いますが、すぐに眠くなり、結構楽しい夢が見られるようです。(テーマパークに行った夢を話してくれる方が多いです)あなたが眠った後、気管に管が入ったり、点滴の追加をしたりします。準備がすんだところで、もう一度、患者さんの確認、手術部位の確認をして手術が始まります。手術が終わったら、忘れ物はないか、機材の確認をし、さらにお腹や胸の手術の場合はレントゲンで確認します。忘れ物がないことを確認した後、麻酔の薬を止めます。背中から硬膜外チューブを入れた方にはそこから痛み止めの薬が入ります。硬膜外チューブを入れなかった方には点滴のところから持続的に痛み止めが流れるようにしています。目が覚めて、ご自分でしっかり息ができ、痰を出すことができることが確認されれば、お部屋に帰ります。

手術の後

痛み止めは持続的に流れるようになっていますが、痛み止めが足りないようでしたらおっしゃってください、追加できます。痛みの他にも気になることがあればどんどん言ってください。さらに、手術の数日後、麻酔科医が様子を聞きに伺いますので、何か不都合なことがあれば遠慮なくおっしゃってください。今後の糧といたします。

2017.6.8
大分医療センター麻酔科:岩本 亜津子